インターネットを介した情報のやりとりは、第三者による盗用や漏えいの危険性をはらんでいます。VPNは外部に情報を流出させないような対策をしているため、安全性が高いのが特徴です。ここでは、VPNの安全性が高い理由について解説します。
1.通信データの暗号化
VPNの安全性が高い理由のひとつは、通信データの暗号化です。暗号化することで、第三者にデータを悪用されるリスクを抑えています。暗号化したデータを復号化するのに必要なのが「鍵」です。鍵を持っているユーザーだけがデータを復号できるため、万が一第三者が内部に侵入しても情報の内容までは分かりません。
また、暗号化は第三者だけでなく会社の内部からも通信データを守ります。データを外部と内部の両方から保護することで、安全性がさらに高まるでしょう。
2.トンネリング機能
VPNの安全性を高めるトンネリング機能とは、通信データのやりとりに仮想のトンネルを活用することで外部からの第三者の侵入を防ぐ方法です。
トンネリングには「カプセル化」という技術を使用します。通信で使用するパケット(細かく分けたデータの固まり)を別のプロトコル(通信手順)で包んで送る方法です。こういった機能でセキュリティ対策することで、外部ネットワークの影響を受けにくくなり、情報漏えいが防げます。
VPNは本来安全を目的としたもの
VPN(インターネットVPN)は、インターネット上に仮想の専用線を設定し、通信を秘匿するものということを説明しました。コストも、専用線や閉域網(IP-VPN)よりも格段に安く、様々な環境で利用されています。
VPNとは?については以下の記事を参照ください。
初心者にもわかるVPN接続!おすすめのVPNアプリも紹介
そのため、VPNの安全性は、とても高いものと言えます。VPNの仕組みとして、大きく2つあります。それはIP-VPNとインターネットVPNです。
IP-VPNは、「IP Virtual Private Network」の略語で、通信事業者が提供する閉域IPを利用します。閉域IPとは、通信事業者毎に契約をした上で利用できる閉ざされたネットワークです。
一方、インターネットVPNは、インターネット上にデータを暗号化した特殊なトンネルをつくり、コストとセキュリティを両立したネットワークです。
IP-VPNのほうがセキュリティが高いのですが、特殊な契約が必要だったり、費用の面でも、インターネットVPNよりも高額で、導入障壁は高いです。
無料VPNの危険性とデメリット
そんな中、インターネットVPNのサービスで無料VPNというものが登場しました。その名の通り、インターネットVPNを無料で利用することができます。
ただし、残念なことに信頼できる無料VPNサービスは少ないものとなっています。VPNサービスを提供するにあたり、事業者側は、運用コストや設備など様々なコストが発生します。無料VPNサービスは、どのようにその費用を回収するかというと、主には、利用ユーザーに向けて広告を表示することで回収します。それだけであればまだいいのですが、その広告に悪意のあるコードが仕組まれている場合などがあり、安全性が脅かされます。
また、VPNサーバーの利用履歴などをデータ化して、販売してしまうということも考えられ、本来安全を得るために利用するVPNなのに、逆に危険な状況になってしまう場合があります。
利用面でいうと、無料が故に、多数のユーザーが利用し、通信速度が低下したり、データ通信量に制限がある場合があり、少々不便な無料VPNサービスも見受けられます。
無料VPNのデメリット
- 広告に悪意のあるコードが仕組まれる可能性がある。
- 通信内容を販売されている可能性がある。
- 通信が安定しない場合やデータ量に制限がある場合がある。
無料VPNのメリット
無料VPNのメリットと言えば、やはり費用が一切かからないことです。データの通信量や利用時間等に応じて課金されることがないので安心です。また、課金されないということは、クレジットカードなど、課金される情報の入力もないことは、不正請求などが多い現在、とても安心できます。ただし、一部の無料VPNは、有料プランもあって、期間や利用状況に応じて、自動的に有料プランに切り替わるという無料VPNサービスもあるようですので、料金の部分は、よく確認してから利用してくださいね。(※そういった無料VPNサービスは、申込時に、クレジットカードなどの決済情報を入力する画面があるはずです。)
また、もう一つのメリットと言えば、やはり気軽に複数契約ができることです。無料VPNのデメリットでも紹介したように、通信が安定しない場合が多いです。その時に、別の無料VPNに切り替えながら利用するとある程度安定したVPN環境が構築できると言えます。
無料VPNのメリット
- 費用が一切かからない
- 決済情報などの機微情報の入力がない
- 複数契約して切り替えて利用することができる。
おすすめ無料VPN比較
無料VPNには安全性に疑問符がある。といっても、費用の面や試しに使ってみたいという方はいらっしゃると思います。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、以下に比較表を作成しました。実際に試した上で、有料版を契約するという流れでも良いと思います。
TunnelBear(https://www.tunnelbear.com/) | |
メリット:操作が簡単で、世界的に有名で利用ユーザーが多く、速度が比較的安定している。中国からも利用可能実績あり。 デメリット:月500MBまで(動画30分程度)しかみれない。 | |
Windscribe(https://jpn.windscribe.com/) | |
メリット:無料通信量が月10GBまであり、動画再生なども可能。 デメリット:日本サーバーがなく、タイミングによっては、速度がかなり低下した状態になる。 | |
HIDEme(https://hide.me/ja/) | |
メリット:ログを一切残さないノーログポリシー。1アカウントで5つまで同時接続可能。無料通信量が月10GBまで。 デメリット:通信速度が安定せず、通信が途切れることがある。 |
中国で利用可能な無料VPN
中国は、グレートファイアウォール(金盾)といって、中国政府によってインターネットは検閲されています。そのため、中国共産党や政府にとって都合の悪い情報は、中国国内からは閲覧できないようになっています。それによって、日本で普通に閲覧可能なGoogleやFacebook、Youtubeなどは閲覧ができず、代わりに、検索エンジンの「百度」やSNSの「Weibo」など、中国独自のサービスが国内では使用されています。ちなみに、香港とマカオの2つの特別行政区では、適用されていないため、自由なインターネット閲覧ができます。
グレートファイアウォールを回避して、様々なサイトに閲覧できるようにVPNが使用されています。ここでは中国のグレートファイアウォールを回避して、自由にインターネットが可能になる無料VPNを紹介します。
VPNの中には、中国のグレートファイアウォールの動きを感知して、随時調整して、中国国内からVPNが使えるようにしているサービスがあります。ただし、中国対応している無料でVPNは、あまり多くはありません。日に日に厳しくなり、以前は使えていた…というVPNサービスがたくさんあります。
2021年6月現在、中国で利用できる無料VPNは「VPNネコ」というモバイルアプリのVPNサービスの1つのみとなっています。
メリットとしては、
- 完全に無料のVPNで中国で使える(2021年6月)
- アプリをインストールして、サーバーを選んで「VPN接続」のスイッチをスライドさせるだけと、使い方が簡単
デメリットとしては、
- 通信速度が遅い
- 広告が多い
- iOSとAndroid対応のみのため、PCでは使用できない
- 運営会社の詳細が不明のため、安全性に疑問符
と多少デメリットが多いですが、完全無料という観点では仕方ないですね。ただ、デメリットにもあるように、運営会社の詳細が不明のアプリとなっておりますので、機微情報などを扱う通信などでは避けたほうが良いものと思われます。遊びの範囲で利用して、機微情報などを扱う等の場合は、有料のVPNで中国で使えるもの(HIDEme)等を利用するのが安全だと考えられます。
また、先述したようにグレートファイアウォール対応は、時期によって変わるので、Twitterや中国にいる友人などに事前に確認して、2つ以上使えるVPNを用意していくのがベストと考えられます。
当サイトおすすめのVPN
当サイトでは、NordVPN(ノードVPN)をオススメしています!無料ではありませんが、30日の返金保証付。高速高品質、ノーログポリシー、動画サイトの視聴にも対応、他社と比較しても格安など、詳細は以下の記事で説明していますので一度、検討してみてはいかがでしょうか?